本を3冊ご紹介

昨年から読んでいた本のご紹介です。全部ブックオフで買った本ですが、マトモなお給料をもらっている人は新刊を買いましょう。

生松敬三『社会思想の歴史 ヘーゲル・マルクス・ウェーバー』岩波現代文庫

あまりに基礎知識がなさ過ぎるので、たまたま古本屋で見つけた本書を読んでみることにしました。教科書的というか、ダイジェストです。

個人と社会(国家、集団、コミュニティなど)、あるいは自由と秩序のような問題というのは、それこそ永遠に答えの出ない性質のものでありまして(時代ごとに、両者の中間点のどこかに妥当な着地点があるのだろうとは思いますが)。
本書は、ロックやルソーの時代からそのテーマに沿うかたちで思想史をまとめたもの。そして21世紀の現代もまた、この延長線上にあるのでしょうね。

ロック、ルソー、カント、ドイツロマン主義、ヘーゲル、マルクス、ウェーバー、フロイトと、順を追って紹介されてます(なぜかニーチェは入ってない)。ウェーバーとフロイトは、わりと最近読んだばかりなので飲み込みやすかった。ヘーゲルは何をいってるのかよくわからない。

最近は光文社の古典新訳文庫から、主だった思想家の代表作が刊行されているようですが。ブックオフで入手できたら、そのあたりくらいは読んでみるつもり。わざわざ旧訳の難解な文章で読んでみる気はしないかも…。
とはいえ、あまり好きな分野ではありませんので。まあほどほどに。

マックス・ヴェーバー『プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神』岩波文庫

なんでも表現規制問題と密接な関係のある論文だとの説を聞きつけまして。たまたま古本屋で見つけたので読んでみることにしましたが。
結論からいってしまうと、こんな難解な本、私のように基礎教養のない者が読んでも時間の無駄というか…。

本の内容については、Wikipediaあたりで簡潔にまとめられています。
内容紹介」「予定説」「本書をめぐる議論」あたりを読まれるのがいいのではないでしょうか。
よくわからないなりに思ったのは、本書の内容を「禁欲的プロテスタントの時代に戻るべき!」と解釈する人たちが怪しいのかな?

それにしても、禁欲的プロテスタント(ピューリタン)の思考パターンというのは初めて知ったのですが、これはなかなか興味深いものがありました。
ふつう私たちが「狂信者」というものをイメージする場合、感情的で奇跡を絶叫するような個人・集団を思い浮かべるわけですが。もちろんそういうタイプもいるのですけど、それとはまったく異なったタイプが存在することもまた、知っておくべきなのかもしれません。
冷静で論理的、無駄なことは一切せず職務に忠実。そしておそらく私たちよりはるかに有能で、資産があり、社会的地位も高い人たち(でも狂信者)。

ところで話は変わりまして。前にミルトン『失楽園』を読んだとき、異様な拒否感・抵抗感を抱いてしまったんですが。ひょっとしてこの予定説だったのではないかなー。
信仰というのも個人の自由ではあると思いつつ。このように内心の自由まで縛るような思想というのはどうなんでしょね。

でもって話はまた翻って。
となると、日本のいびつな勤労道徳がいったいどこから来ているのか、今度はそっちが疑問になってきました。「死ぬまで働け教」みたいな。これについては何を読めばいいんだろ?

横田増生『潜入ルポ アマゾン・ドット・コムの光と影 躍進するIT企業 階層化する労働現場』情報センター出版局

本書ではアマゾンの流通センターに潜入し、アルバイトとして三ヶ月を過ごした著者による詳細なレポートが報告されています。
2005年に出版されたもので、この情報化時代、すでに少々古くなっている面もあるかもしれませんが。しかしIT企業、あるいは外資系、欧米企業の思考パターンを知るという点では、一読の価値はあるのではないかと思われます。

顧客第一主義を徹底させたことが、アマゾン急成長の理由なのだ。
アマゾンがこれまで直面した問題を解決していく方法を見ていくと、まさに「顧客しか見ていない」という基本姿勢が見えてくる。(P34)

顧客とアマゾン社員の利益以外は、ドライに切り捨てるというか。流通センターのアルバイトも、著者も、出版社も、使い捨てで構わないという割り切り方。
て、アマゾンの悪口を書いているように思われるかもしれませんが、他もたぶん、みんなそんな感じではないかと思うのですがー。

接客業でクレーマー客の相手をしている人とかにもオススメかも。学校の先生とかもかな。客商売の下っ端はつまらないですね。作家とかも基本的には同じだと思います。お医者さんもかな。
クレーマー客に好き放題させて儲けるのが、21世紀型のビジネス・スタイルではないかと思いました。上の方にいれば自分は痛くも痒くもないし。

「日本はガラパゴス!グローバル化こそ正義!」「日本はガラパゴス!グローバル化こそ正義!」「コンテンツは無料!著作権は悪!ネットは特別!」「コンテンツは無料!著作権は悪!ネットは特別!」「ネットですべて良くなる!Googleですべて良くなる!」「ネットですべて良くなる!Googleですべて良くなる!」と絶叫し続けている人も、基本的には同じような思考パターンですね。

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